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2019年08月09日

パワハラが教えてくれたこと

少し前の話だけど、相当のパワハラに遭って退職したことがあった。
先生のいじめ理論みたいな話だけど、パワハラはしてくる側だけでなく、される側にも原因がある場合は多い。パワハラしてくる側を頭ごなしに批判するのは、それこそパワハラだ。
上司と新人がいたとして、まだ仕事ができない新人を世話して管理するのが大変なのは一度経験したことがあるなら分かるだろう。自分に別の仕事もある中で、人を育てる。これを片手間でできるのは余程優秀な上司か、会社の育成の仕組みが完成されている場合に限る。
そんな上司や会社に巡り会える確率は低い。そもそもそんな上司がいれば、会社の仕組みがあるなら、人は簡単にやめないから、そうそう募集をかけない。
大抵は人を育てられない上司と、育成の仕組みなんて欠片もない会社が殆どだ。
だからこそ上司は人を育てることにもっと向き合わなければいけないし、どうすれば育つかを考えて仕組みにする必要がある。あるんだが、それだけでは駄目な話をしておきたい。
新人は会社が「育ててくれる」という意識があると、学ぶ姿勢にはなっても成長速度が遅くなる。若ければ集中力と記憶力でどうにでもなるかもしれないが、歳をとればどちらも落ちていき、落ちるのは仕方のないことだからこそそんな自分を許容して欲しいという発想になりがちだ。こうなってしまうと成長は著しく遅くなる。成長が遅いんだから、そりゃパワハラも起きやすくなる。
そんな感じでパワハラを受けて萎縮してそれまで出来ていた仕事すら出来なくなり、退職して少し休まないといけなくなったのが、当時の自分だった。
確かにパワハラはしんどかった。あの職場は人間としても同僚としてもしょうもない人ばかりだったと、今でも思う。だが、俺自身もっと仕事ができれば良かったんだし、こんな理由で辞めなくても良かったはずだ。
休んでる間は働きたくなかった。とにかく休むことに専念した。だが知り合いがそんな自分を「人間的に合いそう」とのことで勤務先の役員に会わせてくれて、見事に気に入ってもらえて社会復帰することになった。
しかし何も変わってない俺は仕事ができないままだ。おまけにブランクまで出来ている。働くことが怖かったし、最初の現場ではうまく立ち回れなかった。
パワハラは無かったが、やはり成長させる仕組みも無かった。新人向けのマニュアルもない。まあここまでは珍しくない職場なのだが、自習時間が長いという特徴があった。
自分はこれを新人向けのマニュアル作りに費やした。「そんなもの無くても大丈夫だよ」と言われたが、本当に物事が覚えられない俺が大丈夫じゃなかったから、新人=自分のために作った。
結果、相性もあり最初の現場の仕事は出来ないままだったが、空き時間の度に充実していったマニュアルは評価されていたと思う。自分より後に入ったメンバーにも感謝された。
自分を採用してくれた役員が、次の現場の面接で「彼はマニュアル作りを進んでやってくれるんですよ。こういう人物は貴重ですよ」とアピールしてくれて、そこで着任が決まり今に至る。
マニュアル作り得意なの?と聞かれるが、得意なはずがない。言ってしまえば自分用のメモなのだから。思い返してみれば、前は「マニュアルがないんだから仕事を覚えるのが遅いのも当たり前。上司とは勤続年数も違うんだから仕方ない」と考えていた。しかしその結果としてパワハラに繋がったわけで、やはり新人側も育ててくれるという意識だけではなく、自ら育つ努力は持たなければいけないと思った。
自分の場合、マニュアル作りは自分が覚えるためのメモでもあり、会社に感謝されてモチベーションに繋がる仕事でもあり、新人との関わりを作るツールでもあり、一石何鳥にもなり得る作業だった。
新人力のない自分が、パワハラを受けたところから始まって自ら学んだことだった。

だからもし、パワハラで苦しんでる人がこの記事を見たとしたら伝えたい。
パワハラは最悪だ。解決されないと判断したら辞めてしまった方がいい。
だが、どこもそんなもんだ。だったら自分で自分が働きやすくなるように変えていった方がいい。それはパワハラがある方がそういう発想にしやすい。
自信も無くしてるかもしれない。しかし得意なことなんか、いらない仕事も沢山ある。むしろ苦手なことを逆手に取って対策するやり方だってある。
パワハラはマジでいらない。
だが、こんな具合にパワハラが教えてくれることも、無いとは言い切れない。





dai9101 at 08:30│Comments(0)clip!日記 | 内面

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